思春期以降の男性に起こる薄毛の症状としてAGAがあります。AGAは、抜け毛が増えてしまうことで薄毛になるケースと、髪を育てる力が弱くなってしまうことで薄毛になるケースがあります。治療方法としては、塗り薬や飲み薬、注射などがあります。どの方法がベストなのか気になるという人もいるでしょう。

まずは、AGAの治療薬の種類についてご紹介します。AGAの治療薬は、進行を防ぐタイプと、発毛を促進させるタイプの2種類があるとされていて、現在はジェネリックも登場していることで、費用を抑えた治療も可能となっています。

AGAの進行を防ぐ治療薬は、ザガーロやプロペシアといったお薬が代表的です。発毛を促進させるお薬は、ミノキシジルが代表薬となっています。

プロペシア

プロペシアは国内で初めてAGAの治療薬として認可されたことから、AGA治療で一番に選ばれている薬です。内服薬ですが、比較的副作用は少なく、薄毛の進行もしっかり防いでくれるといわれている薬です。プロペシアは、月額6千円～8千円程度の費用がかかることから、費用面に不安がある場合は、ジェネリックという選択肢もあります。

プロペシアのジェネリックには、フィナステリドやフィンペシア、フィナクスなどがあります。ジェネリックを利用する場合は、月額4千円～6千円ほどです。ジェネリックで本当に効果があるの？と不安に感じるかもしれませんが、ジェネリックもしっかり検査を行っていますので、先発品と変わらない効果を実感できるお薬です。

ザガーロ

ザガーロは、プロペシアで効果がなかった場合に選ばれることもあります。プロペシアよりも抜け毛を抑える効果が優れているというお薬で、国内で2015年に承認された新しいAGA治療薬です。

新しいお薬ですが、プロペシアと比べて副作用が出やすいという点で、第一選択肢とはなっていないケースも多くみられます。副作用が気になる場合は、プロペシアから始めるほうがよいかもしれません。費用もプロペシアより若干高くなっていて、月額8千円～1万円ほどかかります。こちらも1年以上の継続が必要となるケースが多く、費用面で負担が大きい場合は、ジェネリックを選択することになるでしょう。ザガーロのジェネリックには、デュタステリドやデュタストロンなどがあります。こちらは月額7千円ほどで処方してもらえます。

ミノキシジル

ミノキシジルは、毛を促進させてくれるお薬です。医薬品の中では、国内で唯一発毛効果があるとされている薬になっています。

内服薬と外用薬があり、内服薬はミノタブやミノクソール、外用薬はロゲインやリアップ、ツゲインなどがあります。頭皮の血行を促進させることで、髪が育つようにしっかりと栄養を届けることができるようにしていくお薬です。こちらは、月額6千円～1万円ほどかかるといわれています。

ミノキシジルの内服薬に関しては、厚生労働省の許可が出ていないお薬になっています。そのため、一般の皮膚科で薄毛治療を受ける場合は、処方してもらうことができないケースが多いです。

AGA専門のクリニックでは、ミノキシジルを配合したオリジナル治療薬なども取り扱いされていて、症状によって処方されることがあります。ミノキシジルに関しても、副作用が出る可能性があるため、慎重に使用していく必要があるでしょう。

外用薬

AGAの治療薬には、他にもロゲインやアロビックスといった外用薬があります。外用薬は、頭皮に直接塗ることができる ので、内服薬で副作用が出てしまう人も使いやすいでしょう。

ただし、使用箇所に赤みや発疹、かぶれなどが生じてしまう可能性もあるので、肌に合わない場合は、使うことが難しくなります。

・アロビックス

アロビックスは、保険適用される塗り薬で、円形脱毛症の治療にも用いられています。月額1,500円ほどで処方してもらえることから、治療費用も抑えられます。

・ロゲイン

ロゲインは、ミノキシジルが主成分で内服薬よりも副作用が少ない点で、選ばれています。月額5千円～8千円くらいで処方してもらえます。

女性のAGAの場合、男性と同じ薬が処方されることは少ないです。内服薬で処方されることが多いのは、パントガールと呼ばれる薬になります。こちらは、世界で初めて女性の薄毛改善ができると認められた薬で、加齢によって起こる薄毛治療にも使われています。

外用薬で選ばれるのは、ミノキシジルになりますが、頭皮に合わないということもあるので、注意が必要でしょう。

女性のAGAの場合、女性専門の薄毛治療クリニックで相談されることをおすすめします。

治療薬は専門医に相談をしてから使用すること

AGA治療薬を選ぶ際は、発毛を促進させるお薬と、進行を防ぐお薬を併用する必要があります。ただし、症状によって併用するかしないかは変わってくるため、専門医への相談が必要です。また、内服薬の場合は、持病があると注意して服用しなければならないこともある ため、現在治療中の疾患や、他に服用しているお薬がある場合は、必ず伝えてください。また、体質によってお薬が合わない場合もあります。特に、過去にお薬で副作用が出たことがある場合は、注意しましょう。

継続がAGA治療のカギ

治療薬を使用したからといって、すぐに効果が出るわけではありません。治療薬を使っても半年以上は継続する必要があるため、お薬の価格も確認しておきましょう。AGAの治療は、受けやすくなっているとはいっても、保険適用外の薬がほとんどです。そのため、受診するクリニックによって薬の価格に違いがあります。事前に治療薬の価格を調べてから、カウンセリングや診察予約をされることをおすすめします。

ダイレクトに治療ができる

AGA治療は、内服薬や外用剤以外に、注射で頭皮に直接栄養を注入する方法があります。HARG療法と呼ばれているもので、女性の薄毛治療にも効果があると注目されている方法です。

HARG療法は、髪を育てるために必要な成分や頭皮環境を整えるために必要な栄養素を、直接頭皮に注入します。内服薬や外用剤よりも、ダイレクトに頭皮に働きかけることができるので、発毛効果も早く実感できるといわれています。

HARG療法は、専門の医療機関でなければ受けることができません。注入する成分も、クリニックによって多少違いがあるので、しっかりと症状を確認して施術してもらう必要があります。

ヘアサイクルを正常にして抜けにくく、生えてくる髪を太く丈夫に

HARG療法では、髪を成長させる毛母細胞が刺激されて活性化することで、発毛効果を高めていきます。これによって、ヘアサイクルが正常になるので、髪の毛が抜けにくくなる、生えてくる髪が太く丈夫なものになるといった効果が期待できます。HARG療法のメリットは、年齢や性別問わずに治療が行えることや、内服薬や外用剤とは違ったアプローチが可能であること、副作用が少ないこと、毛周期を正常化させるので、根本的に解決していけることなどが挙げられます。一時的に症状が改善されるのではなく、持続性が高い治療であるといえるでしょう。

内服薬や外用剤の場合は、副作用で続けることができないという人もいるのですが、HARG療法なら、そのような人も安心して治療を行えます。持病がある人も、副作用が出にくく受けやすい治療です。

決してメリットばかりではない

メリットが多いように感じるHARG療法ですが、実は高額な治療費が発生してしまうというデメリットがあります。こちらも自由診療となっていることから、治療費用はクリニックごとに異なりますが、相場は1回10万円～20万円ほどです。1回で治療が終わるのではなく、1クール6回を基本としているクリニックが多いので、1クールで100万円近くかかってしまうといえます。

1回で支払うとなると、高額なので厳しいかもしれませんが、医療ローンを使って支払いできるクリニックであれば、分割で払いやすくなるでしょう。HARG療法の場合、1クール6回ですが、早い人は6回受ける前に発毛効果を実感される人も多いので、ずっと薬を飲み続けることに不安があるなら、HARG療法という選択肢もあります。1クール終了後、十分な効果を得られなかった場合は、引き続き治療を行います。また、治療効果が出た後も、定期的に治療を続けていくことで、再発しないようにできるでしょう。

HARG療法は、頭皮に直接注射する方法だけでなく、レーザーによる注入や電気による注入といった方法もあります。針で薬剤を注入する場合、痛みが伴いますが、レーザーや電気の場合は、痛みが緩和されるので、痛みに敏感な人はそのような方法を導入しているクリニックを受診されるとよいでしょう。

HARG療法は、投薬治療を併用することも可能です。投薬治療を併用すると、さらに早く効果を実感しやすいといわれているので、併用を希望する場合は、クリニックに相談してみてください。

注入する治療として、HARGとは別に育毛メソセラピーと呼ばれる治療方法もあります。こちらは、HARG療法とは異なる薬剤が使われていて、HARG療法の認定を受けていないクリニックでは、注入治療として行われていることが多いです。

育毛メソセラピーも頭皮に直接栄養を届けることができるのですが、使用する薬剤がクリニックによって大きく異なることや、費用にもかなり差があるという点で、事前にしっかり調べてから治療を受ける必要があるでしょう。

口コミなども参考にして、育毛メソセラピーを行っていて、実績が豊富なクリニックを探してみてください。

AGA治療は、どのような治療方法があるのか、治療方法の違いやおすすめのタイプなどをご紹介しました。これからAGA治療を検討されている人は、まずは専門クリニックでしっかりカウンセリングを受けてみてくださいね。ご自身に最適な治療方法を選ぶことで、進行を食い止めることができ、早期治療が可能となります。